My Story
幼い頃から抱えていた「死への恐怖」
高度成長期、独立開業した両親は、朝早くから夜遅くまで、休日も休まず働いていました。そんな両親の背中を見て育った私には、今も忘れられない幼い頃の記憶があります。死への恐怖です。
死んだら私はどうなるのか。この意識はどうなってしまうのか。
すべて無くなるのか。それとも、身体のない意識だけが彷徨い続けるのか。生まれ変わり、また同じ恐怖を感じなければならないのか。
考え始めると止まらず、一人で涙を流すこともありました。
愛知県稲沢市|対話と土に触れる時間
私が歩んできた道と、HANEに込めた思い
Profile
HANEは、愛知県稲沢市にある「対話と、土に触れる時間」の場所です。日常の気分転換や、自分らしい気づきのきっかけにしていただけたらと思っています。
私自身、幼い頃から考えすぎてしまい、生きづらさや迷いを抱えながら、さまざまな経験をしてきました。
頭で考え続けることを少し休み、土の感触や手仕事に没頭する。その体験こそが、今のHANEで最も大切にしていることです。
「どんな場所なんだろう」「どんな人が迎えてくれるのだろう」
初めて訪れる際には、そうした不安もあると思います。少し長くなりますが、私がどのような道を歩み、なぜ「土と対話」という形に行き着いたのか、お話しさせてください。
My Story
高度成長期、独立開業した両親は、朝早くから夜遅くまで、休日も休まず働いていました。そんな両親の背中を見て育った私には、今も忘れられない幼い頃の記憶があります。死への恐怖です。
死んだら私はどうなるのか。この意識はどうなってしまうのか。
すべて無くなるのか。それとも、身体のない意識だけが彷徨い続けるのか。生まれ変わり、また同じ恐怖を感じなければならないのか。
考え始めると止まらず、一人で涙を流すこともありました。
孤独と死の恐怖を抱えた私は、「どうすれば親が振り向いてくれるのか」を常に考えていました。
小学生の私が考えたのは、良い成績を取ってくること。学級委員に選ばれること。毎年身につけた学級委員のバッジは、親に認めてもらうための手段でした。
しかし、期待されていた進路に進めず、挫折した私は、「良い子」を演じ続けることができなくなりました。一度失望させてしまうと、取り返すすべがわからなかったのです。
反抗期も重なり、今度は困らせることで自分の存在を示そうとしました。
家業に必要な資格が取れるという理由だけで進んだ専門学校。そこで出会った一人の先生の何気ない一言が、私の心に深く残りました。
私は初めて、「一人の人間として認められた」と感じました。それまで苦痛でしかなかった勉強に、自ら向き合いたいと思えるようになったのです。
その専門学校で教員の募集があると知った時、挑戦したいと思いました。私を変えてくれた先生のような存在に、私もなってみたかったのです。必死に成績を上げ、先生に後押しもしてもらい、なんとか採用してもらうことができました。
理想を追い求め続けた教員生活では、「学生のために」「学校を楽しい場所に」と全力で取り組みました。しかし、自分の理想だけを追い求めるあまり、やがて組織との摩擦を生んでしまいました。
制約の多い教員を辞め、家業の営業マンとして自分の力を試そうとしました。結婚後は、我が子たちのスポーツ活動に深く関わるようになります。
小学校で全国大会を経験すると、私の望みは次第に大きくなっていきました。練習に口を出し、試合後には反省会をさせる。勝利を目指すあまり、知らず知らずのうちに子供たちに重圧をかけていました。
追い込まれ、限界に近づいていく子供たち。それでも口を出し続ける私。やがて子供たちに、変化を感じるようになります。
「なぜ私の言葉は届かないのか」
その問いと向き合う中で、子供たちを変えようとするばかりで、自分自身のあり方を見つめていなかったことに気づきました。
この経験は、私が自分を見つめ直す、大きな転機となりました。
まずは、子離れをするために趣味を持とう。そんな思いから始めたのが陶芸です。
頭で考えることから離れ、手を動かしながら、感覚だけを頼りに土に触れる時間。それは、自分と向き合う時間になっていました。そこには、それまで気づけなかった感覚がありました。
自分が変わらなければならない。その思いは、仏教へと向かいました。しかし、本を読むだけでは深い理解はできません。やがて、僧侶に直接相談したいと思うようになります。
どれだけの寺院を訪ねたでしょうか。やがて一人の僧侶との出会いをきっかけに、私は多くのことを教えていただきました。
師のもとで深い静寂に入る瞑想技法を学び、頭の中の雑音を静め、自分の内側の声に耳を澄ませる時間を重ねてきました。自分を見つめる瞑想は、現在も毎朝の日課になっています。
呼吸と感覚を調える気功の修練もまた、自分自身の状態を客観的に捉える視点を養うことに役立っています。
陶器づくりは作品販売と、陶芸体験へ。雑貨店さんからお話をいただき陶器販売、喫茶店への納入。また、陶芸体験の実施。(HANE工房の運営)
この探求の末に行き着いたのが、「言葉や頭で考えすぎる前に、まず土に触れること」でした。こうした背景があるからこそ、HANEでは静かに過ごしていただける時間につながっているのだと思います。
死への恐怖、良い子を演じた日々、挫折、出会い、そして子育てを通じて気づかされたこと。
振り返ると、これまでの経験が、今の私の考え方につながっています。
自分を変えようとすること。人を変えようとすること。そうしたことに懸命になってきたからこそ、自分自身のあり方を見つめることの大切さを、実感するようになりました。
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