人の苦しみについて
感じてしまう生きづらさ。何のために生きているのだろう。人生に対しての迷い悩み苦しさ、それは、一体どこから来るのか。なぜ人は苦しむのだろう。そんなことを考え続けていたとき、スピリチュアルペインという言葉に出会いました。
初めてこの言葉を知ったのは、緩和ケア(終末期医療)についての記事を読んだときです。緩和ケアは、人が抱える苦しみを身体的、心理的、社会的、そしてスピリチュアルという四つの側面から捉えます。身体的、心理的な苦しみ。その痛みは想像ができます。社会的とは、人との関わりがなく、自分の役割をなくしてしまう苦しみ。では、スピリチュアルな苦しみとは何なのだろう?
私は、何のために生きてきたのだろう。私という存在は何だったのだろう。死によって、私はどうなってしまうだろう。そうした人間の存在そのものに向けられた問いが、スピリチュアルペインでした。私はそれを知ったとき、これまで抱えてきた、生きづらさや人生への疑問は、単なる心の問題ではなく、人間なら誰もが抱え得る根源的な苦しみだったのではないかと思いました。
肉体的な痛みは医療によって和らげられます。精神的な痛みも医療や、カウンセリングなどで、和らげる試みもされています。
では、スピリチュアルペインという問題はどうなのでしょう。「人間の存在についての根本的問題」について正面から向き合うことは、避けられているのではないでしょうか。
私にはスピリチュアルペインは、終末医療だけの問題とは思えませんでした。何のために生まれ、何のために生きるのか、人は死後どうなるのかといった人間の根源的痛みは、かつての私だけではなく、多くの人が抱えているのではないだろうか。そして、このスピリチュアルペインと向き合うことが、人生の迷いや悩みに対しての答えになるのではないかと思うのです。
では、スピリチュアルな問題と、どのように向き合えば良いのでしょう?スピリチュアルは日本語では、メンタルと同じように「精神的」と訳されます。他にもスピリチュアルは、霊的、魂などの訳がありますが、はっきりと捉えることが難しいように感じます。しかし、生まれた者には、必ず死が訪れます。私たちは内心では、自分の存在や、生きる意味、死について、答えを求め続けているのではないでしょうか。
以前の私は、スピリチュアルと聞けば霊的なもの、目には見えない怪しいもののように感じていました。現実社会とは別なものではないかと。自分とは無縁のものだと、距離を取っていたのだと思います。
ですが、今はそこへ踏み込んでいくことが根本的な癒しを生むのではないかと思っています。精神的な問題だけではなく、人間の根源的な問題まで一緒に見つめられたなら、抱えている苦しみへ近づいていけるのではないか。それはHANEの特長なのではないかと思っています。