思い出したくないようなつらい過去に、今も苦しんでいないでしょうか。
何一つ良いことはなかった。すべてを忘れてしまいたい。過去をなかったものにして人生をやり直したい。そんな思いに囚われ続けてしまって、抜け出せないかもしれません。
私自身、過去を否定し「何者かになりたい」「これまでとは違う自分を生きられたら」と、もがいていた時期がありました。
そんな状態のまま日々が過ぎていき、気がつけば焦りばかりが募っていました。焦れば焦るほど「自分は何もできていない」と感じてしまう。
そして私は、過去のせいにするようになっていました。
前が見えない霧の中で、振り返っても何も見えない。今、自分がどこにいるのかさえ分からなくなっていました。今の自分がわからないから、何者かになりたい。過去をすべて無くして新たな人生を始めたい。
気持ちが落ちてしまうと、過去の思い出したくない出来事だけが蘇ってきます。
「あの時のあの出来事のせいで」と、今の自分が辛い原因を何かのせいにしてみたり「もしあの時違う選択が出来ていたなら」と過去の自分を責めてしまったり良い思い出がよみがえってきません。
問いかけの転機|「つらい過去 忘れたい」と焦る心に響いた一つの質問
自らの過去を否定し、違う自分や違う人生を模索して焦る私に対して、「何一つとして良い思い出はありませんか?」「些細なことでもしあわせを感じたことはありませんか?」と問いかけてくれる人がいました。
「思い出してみてください。冷静に、落ち着いて振り返ってみたなら良かった、助けられたと思う瞬間がいくつもあったのではないですか」と言いたかったに違いありません。
過去の出来事のすべてを、ただ悪い思い出として捉えるのではなく、その中にあった、ほんの小さな喜び、楽しかったことを振り返ってみたとき、すべてを否定してしまうことはできませんでした。
「なぜ、何者かにならなければいけないのか」
自分を変えたい、別の人生を歩んでみたいと願う私に投げかけられたこの言葉にも、「これまでのあなたは無意味なのですか?」という温かい問いが含まれていたのだと思います。
もっと踏み込んでみれば、「あなたのこれまでの人生は、すべて無意味だったのですか?」
という意味にもなるでしょう。
これまでの自分、そして、今の自分を否定するから苦しいのではないか。すべてを悪い思い出にしようとするから過去に縛られ苦しんでいるのではないか。
過去の中にある「良かったと思える出来事」に目を向けてみたなら、お蔭様で今があるありがたいと思えるのではないか。
私は「そのままのあなたではいけないのですか」と問われたような気がしました。今の私があるのは過去の積み重ねがあったから。
記憶の再定義|過去をなかったことにしたい執着が自己否定を生む理由
過去のすべてを否定したら、今の私を否定することになります。
これまでの人生。今の私。そのすべてが無意味だったのでしょうか。上手くいかないこと、思うようにならないことも沢山ありました。だからと言って、過去のすべてを悪いものとしてしまってよいのだろうか。
良かったことに目を向けない私のあり方こそ間違っていたと教えられました。
意味の発見|何に目を向けるかで「今」が輝き始める心の仕組み
過去に意味を見出して行く。そうすれば今が意味を持ち始めます。
なぜ今の私は迷い、悩んでいるのか。それは、捉え方の問題ではないか。
良いこと、楽しいこと、助けてもらえたことありがたいこと、そうした出来事があったからこそ今も行き続けられているのではないだろうか。
つまり、何に目を向けるか。過去を良いものにすれば、その中に意味を見出すことが出来る。
この自分に、またこの人生に意味を見出すまでには長い年月が必要でした。しかし、今の私にはすべての命が意味を持っていると思えます。そしてその意味こそが生きる希望となり光となると信じています。
どんな過去にも光はある。小さな有り難さに気づくことが希望になる
誰の人生も、私と同じではないでしょうか。 今、どれほどつらい暗闇の中にいたとしても、
これまでの歩みを丁寧に振り返ってみたとき、どんなに小さくても「誰かに助けられた、有り難かった」と思える出来事は必ずあったはずです。
もし今、あなたが「こんなはずではなかった」と過去を嘆いているのなら、どうか一度、静かに思い出してみてください。
その記憶の奥底から、これからのあなたを優しく照らす、小さな希望の光がともると信じています。
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